概要

背骨の中の脊柱管(脊髄神経の通り道)には、靭帯が存在し背骨を補強しています。その靭帯が分厚くなり、骨のように硬くなってしまうのが靭帯骨化症です。脊髄の前方には後縦靭帯が、後方には黄色靭帯があり、それらが骨化すると脊髄を圧迫してしまいます。症状としては手足のしびれ・麻痺・歩行障害・排尿や排便の障害などを認めることもあります。また転倒を契機に症状が出現したり、悪化することもあるので注意が必要です。症状が重い場合や、悪化する場合は手術となることが多いです。

手術方法は骨化の大きさや部位などにより異なりますが、前方から骨化した靭帯を削り、ご自身の骨盤などの骨を移植して、インプラントで固定する『前方除圧固定術』、あるいは背骨の後ろからスクリューによる固定をした上で、椎弓(神経の後方の骨)や骨化した靱帯を削って脊柱管を広げる『後方除圧固定術』のいずれかを行うことが多いです。

靭帯骨化症は進行する病気で、その進行を予防する事はできず、厚生労働省から難病指定されています。本疾患に関わる難病申請に関しては担当医にご相談ください。

後縦靱帯骨化症(OPLL)・黄色靭帯骨化症について